未だ終わらぬガーナ新内閣の組閣作業

ガーナでは今年の1月7日に新大統領の就任式が行われ丁度1ヵ月が経過しますが、新政権が発足して直ぐ1月10日にはアクフォド大統領より国務大臣の指名があったところまではよかったですが、実は未だに新内閣の組閣作業が完了していません。というのも、ガーナの憲法の規定で、国務大臣の指名は大統領が行うが、国民議会の承認を経なければ正式に就任できないことになっています。それで、先月より、国民議会では大統領が指名した36人の国務大臣候補者の承認のための審議が行われています。

http://citifmonline.com/2017/02/07/frimpong-boateng-ursula-owusu-4-others-approved/

2月7日の段階で31人の承認がされています。指名日から起算すると21日営業日あるので、単純に計算すると1日当たり1,48人が承認されています。あと5人ですが、早くて今週中か来週前半には全候補者の審議が終了するのか?先週、少数派の議員によって候補者の1人が否認されたようなので、場合によってはまだ時間がかかるかもしれませんね。

民間セクター同士の仕事ではそれほど影響はないかもしれませんが、政府を相手に仕事をしている場合、このようなタイミングでは商談のスピードが一時的に落ちたりすることもあります。ガーナ人にとっては通常のことで慣れているでしょうが、日本人にとっては苛立ちを感じることかもしれません。政府が充分機能し始めるまで暫しの辛抱が要ります。

ガーナ-粛々と進む政権交代

昨年12月7日に行われたガーナの大統領選挙でナナ・アド・ダンカ・アクフォド氏が現職ジョン・ドラマニ・マハマ大統領に勝利し、1ヶ月後の1月7日に新大統領の就任式が行われ、政権が正式に移行されました。

その前の1月4日にはマハマ大統領はアクフォド次期大統領を大統領官邸(Flagstaff House)ツアーに招いて、お互いのスタッフが対面し、官邸内の案内をしました。これも政権移行を平和的に進めるひとつのプロセスなのでしょうね。

昨日(1月10日)は、新大統領アクフォド氏によって第1次アクフォド内閣の閣僚が指名され、13人の新大臣が紹介されました。このうち、3人が外務大臣、司法長官、地方行政大臣と女性です。年代はアクフォド大統領は72歳ですが、大臣には、YouTubeで見た感じでは、30代~60代を散りばめて平均年齢50代半ば前後ではないかと私は想像しています。大統領官邸のホームページは現在リニューアル中でしたので、詳細プロフィールは後日掲載されるでしょう。

前回NPPが政府を運営していたのは2001年~2009年のクフォー大統領時代です。その後アクフォド氏は2度大統領選に出馬するもののNDCに政権の座を奪われ、今回3度目でようやくNPPが政権を奪還しました。個人的に印象に残ったのは、アクフォド大統領が新大臣を紹介する毎にクフォー政権時代の職責を述べて回想していたので、この度大臣という職責で返り咲いた方もおられたのでしょう。

ガーナはアフリカの中で最も民主主義が発展し、政治が安定した国です。政権が変わったことで、政策に変更が生じることはあっても、暴動が起きたり、内戦が勃発したりといったこともありません。アフリカ進出にあたり、治安面を心配される企業さんは多いと思います。今回、ガーナの政権交代の様子をお伝えするのは、ガーナが秩序の保たれた国であることを知っていただきたいからです。

新しい政権を見守っていきましょう。

進展した日本とガーナの関係

年初の投稿から1年近くご無沙汰です。今年もあと2日あまり。前回の投稿を読み返して、この1年のガーナおよびガーナと日本の関わりについて振り返ってみました。

平和的な選挙、政権移行

ガーナ人の最大の関心毎は「平和」だと書きましたが、この1年はその言葉を検証するにはとても参考になる年だったと思います。その最たる事が、12月7日に行われた大統領選挙と共和国議員選挙です。今年に入って選挙が終わるまでの間、ず~っと選挙のキャンペーンで、政治的には、いつも以上に過熱した状態が続いた1年でした。その過熱ぶりが、少なからず、自分が携わっている案件のプロセスの遅延に影響を及ぼしていたことから、選挙戦の成り行きは常に関心の的になっていました。国の代表者を直接選挙で選ぶ習慣のない日本人には理解し難いこともありはしたけども、選挙そのものはとても平和的に行われました。

結果はNDC(国民民主会議)の候補現職マハマ大統領がNPP(新愛国党)の候補アクフォ・アッド氏に負けて、議会のカラーも大差でNDCからNPPに変わりました。来年1月7日に政権はNDC政府からNPP政府へと移行します。ガーナの大統領選挙は毎回、アメリカ大統領選挙の1ヵ月後に行われます。ガーナの政党をアメリカで例えると、NDCが民主党で、NPPが共和党といった感じです。アメリカは共和党トランプ氏が勝ち、ガーナもNPPアクフォ・アッド氏が勝ち、両国とも保守政党の勝利となりました。個人的には親日のマハマ大統領を身近に感じていたので再選して欲しかったので、負けたことは残念でした。しかし、それはガーナ国民の選択です。

親日家、マハマ大統領が日本との関係で果たした役割

マハマ氏が大統領を務めたことによって、日本とガーナの関係は随分近づきました。若い時にガーナの日本大使館で働いた経験によって、日本に対する理解を深める機会に恵まれたことは2013年に大統領に就任したことによって開花することになりました。2013年横浜で開かれたTICADⅤ(第5回アフリカ開発会議)がその大きなきっかけとなっています。私とガーナの関係がより深くなって行き始めたのも2013年春で、ガーナにおけるビジネスではすでにビジネス・パートナーとして属人的つながりは得ていたものの、TICADⅤは私にとっても「アフリカに行け!」という気持ちを強く後押しするものになりました。ビジネスの成功には自分のアイデアや技術も大事ですが、それを時代が後押ししているかどうか、非常に重要であると考えます。

発展途上国の開発を進めて行くためには、外国からの支援(投資・融資・技術供与など)が不可欠で、マハマ大統領は積極的に外交し、海外から多くの開発資金を調達することには成功しています。日本との間ではインフラ整備で、選挙前の12月5日に112億3,900万円を限度とする円借款「東部回廊ボルタ川橋梁建設計画」に関する書簡を交換。ガーナ最大のテマ港とブルキナファソ国境を南北に結び、国際物流・交易の促進を目指します。これは今年の5月マハマ大統領の訪日での要請によって実現したものです。

また、TICADⅤを機に2014年から日本・ガーナ間で「投資協定」の交渉が始まり、交渉を重ね進展を見せています。今年8月27日、ケニアで開かれたTICADⅥの際に両国の首脳会談が持たれ、投資協定の早期妥結への見解を確認し合っています。二国間のビジネス環境が整備されることで、日本・ガーナ間のビジネスはよりしやすくなり、促進します。

マハマ大統領が達成したことを色々と述べたい気持ちではありますが、今回は日本との関わりだけで留めておきます。

さて、2017年1月7日から国のトップが変わることで、今後、日・ガーナ間にどんな変化が起こるでしょうか?

ガーナ人の関心事・・・平和と安定

アイプランニングの佐々木愛です。先週末にブロガーからワードプレスに引越しをしました。初めてブログの引越しをやってみましたが、オンラインマニュアルを読みながら、どうにか出来ました!さて本題に入ります。

日本人には、ガーナはまだ馴染みの薄い国です。せいぜいチョコレートのGHANAがいいところでしょう。探してみるとガーナについてPRしている人はそれなりにいるのですが、日本ではまだ充分に情報が行きわたっていません。

ガーナの話をした時、ガーナについて初めて聞く人の関心事に「治安はどうなのか」ということがあります。アフリカには54ヶ国ありますが、その中ではかなり治安は良いです。政治も安定しています。多民族国家ではありますが、国内紛争もなく、非常に平和を尊ぶ国民性があります。ガーナ人自身もそれを誇りに思っている。先日、なるほどと思う調査結果の記事を発見しました。ガーナのメディア、デイリー・オンライン(ガーナ最大の新聞「Daily Graphic」のオンライン版)が読者に行ったサンプル調査です。2016年の関心事は何か?

2016ガーナ人関心事dailyonline

 

自分の感覚的にも、治安は良い方だと感じていましたが、私が出会ったガーナ人たちも「Ghana is a peaceful country!」と皆言っていたなと思いながら、この調査結果の記事を見て、私も納得しました。2人に1人は「平和と安定」と答えています。ガーナは周囲の国々と地続きなので、周囲の国々で紛争が起こっていたり、テロリストの脅威にさらされていたり、近隣国の不安定な政情から逃れてくる人々もいたりします。そんなことを肌で感じながら、自国が平和で安定した国家を保てていることは、彼らにとって誇りの1つになり得るのでしょう。ガーナに観光客を呼ぶにしても、海外からの開発援助(ODA)や投資家を招くにしても、平和と安定は活動するにあたり基本的な条件であるに違いありません。ガーナが西アフリカにおいてリーダー的な存在であり、安定した経済発展を遂げてきた理由の1つはそこにあると思います。先に進出している欧米諸国が西アフリカでは、先ずガーナに拠点を置くというのは理解できる話です。昨年の11月に日本の企業さんをガーナにお連れしましたが、その時にも、ガーナという国の治安や安定性を実際に感じていただくことが出来ました。

(調査結果の2番目以降については、また別の機会に書きたいと思います。)

「平和と安定」が好きという点は、日本人に似ていますね。アジアの中で日本が最初に高度成長を遂げ、周辺のアジア諸国がそれに倣って、経済成長を遂げて来ました。そして日本もその経済成長の手助けをして来ています。私はガーナという国が西アフリカで、アジアの日本のような存在になっていって欲しいし、なるべきだし、なれる可能性の高い国だと思っています。そしてガーナを倣って、西アフリカの周辺諸国がキャッチ・アップしてくる、そんなイメージを私は持っています。

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Labadi Beach in Accra, Ghana in November 2015

ガーナ-お互いの文化に対する理解を深める

アイプランニングの佐々木愛です。

2ヶ月ばかりご無沙汰していました。この間、ガーナと日本企業との間に入って交渉を続けていました。お互いが前向きである限り、交渉には少しずつ歩み寄りが生まれ、成功に近づいてくるものです。交渉の間に入るというのは決して容易いことではありません。しかし、やりがいのある仕事だと思います。ビジネスが民間外交の役割を果たすものであることを実感しています。

交渉を進める中で、私が配慮していることの1つが双方の文化の違いです。私がアジア圏のパートナー・エージェントに選ばれた理由は、ガーナと日本の双方の文化の理解に通じているからです。もちろんガーナが対象にしているアジアのクライアントは日本企業だけではありませんが、彼らにとって日本は国家的にも技術的にも信頼のおける国の1つなのです。

余談になりますが、私がよく見るYouTubeの番組に「世界の村で発見!こんなところに日本人」というのがあります。その中に「千原せいじがアフリカ54カ国に住む日本人全員に会いに行きます」というシリーズがあるのですが、これが中々面白い。もちろん自分で実際にアフリカの国々を訪れて肌で感じるのが一番いいに違いありませんが、お金も時間もかかりますから、こういった番組は文化を知る手助けなると思います。また出会った日本人がどんなきっかけでアフリカに出会い、どんな分野で活躍しているのかを知ることもできます。

そんな中で私が皆さんの理解の助けになれるアフリカの国は西アフリカのガーナです。一般的にはアフリカと言うほうが耳に馴染んでいますので、アフリカ・ビジネスと称していますが、アフリカは54カ国もあり、とても、ひとくくりにまとめてお伝えできるものではありません。ガーナに長くかかわるうちに、将来、他のアフリカ諸国にも広がる可能性はあるかもしれませんが、今はガーナのことを中心にお伝えしたいと思います。

日本人にとってガーナは文化的には馴染みやすい国ではないかと個人的には思います。ビジネスをする上で、交渉は対話であり、「対話の文化」があるかということです。もちろんビジネスの相手は選ばなければいけませんが、私の今までの経験から言うと「対話の文化」があると言えます。政治的にも安定した民主主義国家を築いており、歴史上で見ても、多民族国家にありがちな内戦もなく、相手を尊重する気持ちがあり、平和を尊ぶ国だというのがうかがえます。この点は日本人と共通しています。むしろ内戦によって保護を求めてやってきた近隣のアフリカ諸国から難民を受け入れるほどの国です。ガーナは西アフリカでリーダー的な存在であり、アメリカのオバマさんが大統領として初めて訪れたアフリカの国がガーナであることはそれなりに意味のあることなのです。世界にも卓越した指導者を送っており、ノーベル平和賞を受賞した前国連事務総長のコフィ・アナン氏はよく知られています。しかし、全ての国民の尊敬を集めるのは、ガーナを植民地支配から独立へと導いた初代ガーナ国大統領クワメ・エンクルマ。9月21日はエンクルマ大統領の誕生日でガーナの祝日となっています。

一般的には国家を統治する機能を担っているのは行政ですが、ガーナはもう1つ、各コミュニティに首長(Chief)とその下に長老(Elders)という伝統的な統治組織があります。首長が土地所有の実権を握っており、統治組織を通じて地域の問題解決をはかったり、地域住民をまとめる役割があったり、政治とはまた違う役割を果たしています。

例えば、私たちのパートナーはアシャンティ州オブアシのワワシ村ですが、この村も典型的なガーナの首長制度による統治が行われています。2013年8月にこの村を訪れた時、村をあげて盛大な歓迎会を開いてもらいましたが、住民をまとめる力を持っていますし、ワワシ村のチーフは地域住民の尊敬を得ていました。村の繁栄もチーフの人格や村の将来に対する思い次第でずいぶん変わってくるように思います。チーフは世襲制なので、将来の後継者をきちんと育てることも大切です。ワワシ村はチーフの次男が村の青年部のリーダーをしており、私がよく接するのは英語が話せる後継者の方です。公用語は英語なのですが、地方に行くと年配者には英語が話せない人も多くいます。

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このように、日本にはない文化もあります。ほかに日本との違いは宗教が国民の心に根付いていることです。70%がキリスト教、15%がイスラム教、その他伝統宗教など。信仰心が篤い国民性です。それを強く感じたのが、ガーナの葬式です。そしてこの葬式の投稿をした10ヶ月後に、ワワシ村で葬式が発生し、ガーナの葬式文化を実際に味わうことになってしまいました。ガーナの葬式文化についてドナルドから聞いていた話は本当でした。私たちは葬式費用を村に寄付し、葬式にはドナルドが参列しました。正直なところ、今時の簡素な日本の葬式に慣れている私には、葬式に大きな費用をかけることは馴染まないけど、文化の違いとして受け入れるしかありませんでした。少なくとも、葬式を業者に売らずに済んだことだけは良かったのではないかと思います。

若い世代も信仰深いと感じます。キリスト教徒が多い南部では、日曜日はほとんどタクシーが走ってないので街の道路が静かになります。私はクリスチャンですが、私が日本で通う教会もガーナにありました。これはにはとても感動しました。自分がクリスチャンであることが新しく出会うガーナ人との共通の話題となり、関係を築く上で安心を提供するきっかけになった経験を何度かしました。お互いの共通点が見つかるとコミュニケーションがし易くなります。

政治や経済の中心は海岸沿いの南部でキリスト教文化が濃いのですが、北部に行くとイスラム教文化が濃くなってきます。宗教がその国の社会の中でどんな役割を果たしているかを知ることは、相手の文化のベースを理解する上で重要な事柄の1つであり、それに対する敬意を払う必要があります。ガーナの社会や文化に対する私の理解がより深まったのは、自分の経歴から彼らの宗教に対する理解が進んだからです。海外でのビジネスを希望する方々には、もし自分が特定の宗教を信仰していなくても、世界に影響を与えているの宗教(キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教など)については教養として身につけておくことをお勧めします。