ガーナ-お互いの文化に対する理解を深める

アイプランニングの佐々木愛です。

2ヶ月ばかりご無沙汰していました。この間、ガーナと日本企業との間に入って交渉を続けていました。お互いが前向きである限り、交渉には少しずつ歩み寄りが生まれ、成功に近づいてくるものです。交渉の間に入るというのは決して容易いことではありません。しかし、やりがいのある仕事だと思います。ビジネスが民間外交の役割を果たすものであることを実感しています。

交渉を進める中で、私が配慮していることの1つが双方の文化の違いです。私がアジア圏のパートナー・エージェントに選ばれた理由は、ガーナと日本の双方の文化の理解に通じているからです。もちろんガーナが対象にしているアジアのクライアントは日本企業だけではありませんが、彼らにとって日本は国家的にも技術的にも信頼のおける国の1つなのです。

余談になりますが、私がよく見るYouTubeの番組に「世界の村で発見!こんなところに日本人」というのがあります。その中に「千原せいじがアフリカ54カ国に住む日本人全員に会いに行きます」というシリーズがあるのですが、これが中々面白い。もちろん自分で実際にアフリカの国々を訪れて肌で感じるのが一番いいに違いありませんが、お金も時間もかかりますから、こういった番組は文化を知る手助けなると思います。また出会った日本人がどんなきっかけでアフリカに出会い、どんな分野で活躍しているのかを知ることもできます。

そんな中で私が皆さんの理解の助けになれるアフリカの国は西アフリカのガーナです。一般的にはアフリカと言うほうが耳に馴染んでいますので、アフリカ・ビジネスと称していますが、アフリカは54カ国もあり、とても、ひとくくりにまとめてお伝えできるものではありません。ガーナに長くかかわるうちに、将来、他のアフリカ諸国にも広がる可能性はあるかもしれませんが、今はガーナのことを中心にお伝えしたいと思います。

日本人にとってガーナは文化的には馴染みやすい国ではないかと個人的には思います。ビジネスをする上で、交渉は対話であり、「対話の文化」があるかということです。もちろんビジネスの相手は選ばなければいけませんが、私の今までの経験から言うと「対話の文化」があると言えます。政治的にも安定した民主主義国家を築いており、歴史上で見ても、多民族国家にありがちな内戦もなく、相手を尊重する気持ちがあり、平和を尊ぶ国だというのがうかがえます。この点は日本人と共通しています。むしろ内戦によって保護を求めてやってきた近隣のアフリカ諸国から難民を受け入れるほどの国です。ガーナは西アフリカでリーダー的な存在であり、アメリカのオバマさんが大統領として初めて訪れたアフリカの国がガーナであることはそれなりに意味のあることなのです。世界にも卓越した指導者を送っており、ノーベル平和賞を受賞した前国連事務総長のコフィ・アナン氏はよく知られています。しかし、全ての国民の尊敬を集めるのは、ガーナを植民地支配から独立へと導いた初代ガーナ国大統領クワメ・エンクルマ。9月21日はエンクルマ大統領の誕生日でガーナの祝日となっています。

一般的には国家を統治する機能を担っているのは行政ですが、ガーナはもう1つ、各コミュニティに首長(Chief)とその下に長老(Elders)という伝統的な統治組織があります。首長が土地所有の実権を握っており、統治組織を通じて地域の問題解決をはかったり、地域住民をまとめる役割があったり、政治とはまた違う役割を果たしています。

例えば、私たちのパートナーはアシャンティ州オブアシのワワシ村ですが、この村も典型的なガーナの首長制度による統治が行われています。2013年8月にこの村を訪れた時、村をあげて盛大な歓迎会を開いてもらいましたが、住民をまとめる力を持っていますし、ワワシ村のチーフは地域住民の尊敬を得ていました。村の繁栄もチーフの人格や村の将来に対する思い次第でずいぶん変わってくるように思います。チーフは世襲制なので、将来の後継者をきちんと育てることも大切です。ワワシ村はチーフの次男が村の青年部のリーダーをしており、私がよく接するのは英語が話せる後継者の方です。公用語は英語なのですが、地方に行くと年配者には英語が話せない人も多くいます。

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このように、日本にはない文化もあります。ほかに日本との違いは宗教が国民の心に根付いていることです。70%がキリスト教、15%がイスラム教、その他伝統宗教など。信仰心が篤い国民性です。それを強く感じたのが、ガーナの葬式です。そしてこの葬式の投稿をした10ヶ月後に、ワワシ村で葬式が発生し、ガーナの葬式文化を実際に味わうことになってしまいました。ガーナの葬式文化についてドナルドから聞いていた話は本当でした。私たちは葬式費用を村に寄付し、葬式にはドナルドが参列しました。正直なところ、今時の簡素な日本の葬式に慣れている私には、葬式に大きな費用をかけることは馴染まないけど、文化の違いとして受け入れるしかありませんでした。少なくとも、葬式を業者に売らずに済んだことだけは良かったのではないかと思います。

若い世代も信仰深いと感じます。キリスト教徒が多い南部では、日曜日はほとんどタクシーが走ってないので街の道路が静かになります。私はクリスチャンですが、私が日本で通う教会もガーナにありました。これはにはとても感動しました。自分がクリスチャンであることが新しく出会うガーナ人との共通の話題となり、関係を築く上で安心を提供するきっかけになった経験を何度かしました。お互いの共通点が見つかるとコミュニケーションがし易くなります。

政治や経済の中心は海岸沿いの南部でキリスト教文化が濃いのですが、北部に行くとイスラム教文化が濃くなってきます。宗教がその国の社会の中でどんな役割を果たしているかを知ることは、相手の文化のベースを理解する上で重要な事柄の1つであり、それに対する敬意を払う必要があります。ガーナの社会や文化に対する私の理解がより深まったのは、自分の経歴から彼らの宗教に対する理解が進んだからです。海外でのビジネスを希望する方々には、もし自分が特定の宗教を信仰していなくても、世界に影響を与えているの宗教(キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教など)については教養として身につけておくことをお勧めします。


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